先進事例
2015.6.2 Tue
「病院BCP(事業継続計画)」の必要性と重要性
東日本大震災発生後、一般の施設と異なり、病院の機能を維持・継続することが災害を受けた周辺住民(患者を含む)の健康を確保するために必要かつ重要であるとの認識が高まってきています(下図)。
群馬県では、東日本大震災での大きな被害は目に入らなかったものの、昨年の豪雪の際にある病院の駐車場の除雪が間に合わず、入れないため、道路が渋滞し、患者が大変だったとの情報がありました。また、別の病院では、職員が出て除雪を適切に行ったため問題が発生しなかっとの情報もあり、その対応の違い
災害が発生する前(平時)から自病院の状況を把握し、発生する災害への対策を検討すること、すなわち「病院BCP(事業継続計画)」を検討していかなければなりません。
災害の発生の可能性は、ハザードマップ(地震、洪水、高潮、土砂災害、内水、津波、火山)で知ることが可能です。地震では、震度被害、液状化、火災被害、地盤被害、建物被害、避難被害の想定マップの他、医療機能支障予測やその地域の災害医療連携体制についても示されています。
このような情報を利用して病院の立地特性や被害の想定を行い、事業継続していくための内容を確認していく必要があります。
病院BCP策定及び実施までの全体的な流れは、下図の通りです。
はじめに災害時のダメージ状況を把握・評価する必要があります。
これらの診断結果を参考にして、人、物、施設などに関する平常時及び災害時の対応方法を検討し、実施していくことが病院BCPであり、その計画策定及び実施手順の流れは下図の通りです。
大災害も時がたつと忘れてしまう、また、忘れてしまいたいものですが、命に関わる病院の継続的な稼働は最も望まれることです。ぜひ、平常時からの対策をご検討下さい。
参照:第1回「病院のみらいWeb」研究会主催2014セミナー「病院BCP(事業継続計画)の在り方-東日本大震災で経験した病院BCPの事例紹介-ファシリティマネジメント視点から」(公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会 ヘルスケアFM研究部会長 上坂 脩氏、2014年10月28日)資料より抜粋