院内感染対策

新型コロナウイルス感染による死亡者数から見えること

これまで新型コロナウイルスによる感染者数や重症者数の情報から感染の状況、対策などが検討・報告されて来ました。しかし、第8波を迎える2022年までの死亡者数の変遷の情報をあらためて確認・検討しますと、現在、非常に危険な状況にあるのではと懸念される状況であることが確認されました(下図)。

すなわち、2020年(第1波から第3波途中まで)の死亡者数は約2,800人であったものが、2年目の2021年(第3波途中から第5波)では約15,000人と5倍近くに増加し、3年目の2022年(11月25日現在、第6波から第8波まで)では約30,500人とさらに倍となっています。そして、12月現在、1日200人を超える日が続いていますので、さらに年間死亡者数は増加するものと考えられます。

この情報は、現在の規制緩和(街には人が溢れている)の状況に違和感を生じさせるものです。

当初、重症患者が急増し、肺疾患関係で亡くなる方が多く、人工呼吸器の不足や病床の逼迫が映像的に報道され、衝撃を受けましたが、予想外に死亡者数は少なく、逆に、現在は重症患者数が急増せず、死亡者数のみが急激に増加している状況となっています。高齢者(基礎疾患がある方々)の死亡が多いことは共通しているようですが、異常な数値と言えます。

死亡者数の急激な増加の要因として、規制緩和、ワクチンの未接種、慣れや疲れなどによる感染対策の不徹底、低年齢層(50歳以下、10歳以下も含む)への感染の増加、無症状患者の存在による感染拡大、など種々のものが考えられますが、特定することは難しいようです。

ただし、50歳以下の患者数が多いことから、家庭内感染(特に、学校・保育園など子供からの感染など)や医療福祉施設での施設内感染(職員からの感染など)がその要因の一つとなっているのではと推察されます。

新型コロナウイルスによる感染症は、季節性のインフルエンザウイルスによる感染症と異なる感染パターンを示しており、死亡者数の増加傾向からも同列に論ずることは非常に危険なのではと考えます。

今後は、手洗いなどの個々の感染対策の他、科学的な感染対策(科学的情報の精査、感染情報の解析、感染対策の意味の検討、これまでの感染対策の検証、など)や社会的な感染対策(PCRなどの検査をいつでもどこでも無料で提供、医療福祉施設・学校・保育園など多数の人と接触する人への優先的ワクチン接種、無症状感染者への生活支援、ワクチン及び治療薬開発の支援と提供、など)について再検討し、費用をかけて進めて行く必要があると考えます。

従来の反省の下で新たな感染対策(社会的な対策を含む)が構築されることにより、新型コロナウイルスによる感染症が蔓延する前の社会に戻るのではなく、新たな社会、withコロナ(感染)の社会が生まれて行くことを期待されており、医療関係者等の果たす役割はさらに重要となります。

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