病院・診療所の経営
2013.11.22 Fri
患者が求める病院・診療所しか生き残れない!
病院などが考える「経営」という言葉は、病院側の立場で検討された内容がほとんどです。すなわち、診療報酬、収支シュミレーションなど経済的なことが主となっています。また、新築移転・増築においては、設計・建築的な検討を行うことがあります。しかし、患者に関係することに対しては、外来患者数、病床の稼働率(入院患者数)などが一般的です。最近では医療機関の連携に関連して、患者の逆紹介数なども含まれるようになってきています。
しかし、病院側としては、なぜ患者がその病院や診療所を選ぶという理由を真剣に検討することは、ほとんどありません。そのため、患者満足度調査などの結果は、正確な意見の反映かというと、正直な意見とは言い難いものです。
そのため、コンサルタントの支援内容についても利用者を考えた提案が行われるようになってきております。
実際に患者が病院・診療所を選択する理由(行く理由&行かない理由)として以下のような報告があります。
厚生労働省「平成23年度受療行動調査の概要」資料(実数不明。病院の種類によって異なる)
■患者が病院・診療所を選択する理由
<外来>
順位 | 理由 | % |
---|---|---|
1 | かかりつけ医 | 40.6 |
2 | 交通の便がよい | 32.9 |
3 | 専門性が高い | 27.4 |
4 | 医師の紹介 | 24.3 |
<入院>
順位 | 理由 | % |
---|---|---|
1 | 医師の紹介 | 39.8 |
2 | かかりつけ医 | 33.8 |
3 | 交通の便がよい | 28.4 |
4 | 専門性が高い | 23.6 |
■病院以外の立場からの一般的なアンケート調査結果(n=200)
順位 | 理由 | % |
---|---|---|
1 | 自宅や勤務先から近い | 73.0 |
2 | かかりつけの医療機関 | 30.0 |
3 | 医師の評判がよい | 27.4 |
アンケートの取り方で結果は若干異なりますが、実際に自分の病院・診療所が存在する地域での調査を実施することで将来のあり方が見えてきます。