病院・診療所の経営

「中小病院」経営の現状と今後

 現在200床以下の中小病院は、全病院の69%(2014年度、8,658病院中5,974病院)を占めており、首都圏だけでなく、地域医療の中心的存在であることは間違いがありません。

 しかし、中小病院の経営状況は厳しいものがあり、医業損益が赤字の病院も多数存在しております。その中、将来の病院のあり方を示す考え方が示されました(下図・クリックで拡大)。

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 医療(病院)の姿は、現在のワイングラス型から2025年にはヤクルト型へ変化していくことが示されました。すなわち、地域包括ケアに関連した長期療養型や在宅療養支援型の病院か、急性期や回復期に関連した関連した病院か、など医療の機能分化が再編・加速されるようです。
ここでは、病院持つ機能を強化している事例を紹介します(下図・クリックで拡大)。

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 脊椎手術件数の上位に、高岡整志会病院(富山県高岡市、70床)、慶友整形外科病院(群馬県館林市、129床)、成尾整形外科病院(熊本県熊本市、103床)という地方の病院が入っており、地域のみならず、遠方からも患者が来ているようです。医療技術の専門化(技術を持った医師・スタッフがいるということです)によって手術件数(患者数)が増加している病院例です。今後、経営的に黒字なのか、赤字なのか、などの情報も知りたいところです。

 現在、中小病院は現状のままで生き残れるのかどうか、行政の動きなどから、判断しなければならない岐路に立っているものと推察されます。すなわち、自身の病院の得意とする分野は何かをしっかりと把握するとともに、多くの方法(データサイトの利用など)で行政の動きだけでなく、病院の周辺情報(地域特性、病院分布、診療科内容、患者数、患者内容、利用交通機関など)を収集・解析することによって、今後のあり方を選択していかなければなりません。

 今後も参考となる事例を紹介していきます。

参照:第2回「病院のみらいWeb」研究会主催2015セミナー「中小病院の現状と行方」(公益社団法人 日本医業経営コンサルタント 東京都支部理事 中小病院研究会運営責任者 吉崎 隆氏、2015年3月18日)資料より抜粋

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