病院・診療所の経営

中小病院でも「ストレスチェック」が義務化対象に

 最近も過労死の報道がなされていますが、精神障害を理由とした労災認定が高いことを背景として、平成26年6月の改正労働安全衛生法に50人以上が働く事業所を対象に、労働者のストレス状態を調べる「ストレスチェック」が平成27年12月1日より義務化されました。50人以上の職員がいる中小病院も対象となると考えます。

 ストレスチェックは、定期的にストレスの状況を質問票で検査し、その結果を本人に通知して自らの状況に気づかせ、個人のメンタル不調を低減させることを目的としており、高いストレスのある場合には医師(産業医など)との面接指導などで改善・防止を図ります。また、回答者が分からないように「職場ごとの仕事量」、「職場の人間関係」、「上司のマネジメント状況」などの項目も集団ごとに集計・分析され、部門長に伝えられ、職場環境の改善につなげます(下図)。なお、個人のプライバシーの問題、正直に記載することが評価や異動の理由になってしまうのではないか、など、懸念事項も多数ありますが、先駆的に取り入れたアサヒビールではメンタル不調を理由にした休職者が減少しているとの報告がされています。


(図:朝日新聞2015年11月27日付)

 医療関係者も多くのストレスにさらされておりますが、予防・改善の方法として「ストレスチェック」を実施されては如何でしょうか。厚生労働省の無料で使用可能なプログラムを公開しているサイト(http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12)もご参考にして下さい。

 団体長期障害所得補償保険という保険加入者に対してストレスチェックサービスを提供している保険会社も出て来ております。

参照:第3回「病院のみらいWeb」研究会主催2015セミナー「損害保険会社から見た病院のリスクマネジメントのあり方」(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 柴崎達也氏、福井勝治氏、2015年10月28日)講演資料 等

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