省エネ対策

省エネ災害対応外灯の有用性とは?

14年前の東日本大震災(2011年11月14日)、最近の能登半島地震(2024年1月1日)、そして現在各地で震度3~4程度の地震が多発しています。海岸線では津波も生じ、その映像は衝撃的でした。

前記のような大地震が発生した際には、建物の崩壊や火事、交通網の断絶(信号のストップも含む)の他、電気、水道(下水)、ガスなどの供給が不可能となり、長期間普及出来ない状況が継続することとなります。

電気が供給されなければ、照明、暖冷房、通信、食事などへの影響、水道(下水道)が機能しなければ飲料水、風呂、トイレ(水洗)、洗濯などへの影響、ガスでも都市ガスがストップすると風呂、暖冷房、炊事などへの影響が生じ、最悪生命の危機に至ることとなります。

今回は、省エネ対策として開発されて来たものを利用し、災害対策に利用可能な製品について比較検討してみました。多くの災害時に生ずる問題の中、電気がストップした際の外灯の問題と省エネ災害対応の外灯についてご紹介します。

災害時の外灯の問題かつ必要条件例は、以下の表の通りです。

災害時の問題 必要項目
必要とするエネルギーが電気であること 自己発電機能(太陽光、風力など)を有すること(省エネ対応)
独立の電気提供システムがないこと 配線のない自己発電型であること
外灯なので大型の発電装置は付属できないこと 小型化されていること
省エネ的運用が必要であること 日照時間対応・調光設備などの機能を有すること
充電機能の装備がないこと 長時間充電可能なバッテリー(蓄電池)を有すること
長い照明寿命が必要であること LEDを利用していること(省エネ対応)
洪水・水害、雪害、地震、火災に対応していないこと 外灯の素材、高さなどの工夫がなされていること
利用可能な付帯設備が付帯されていないこと 監視カメラ、WiFi 装備(通信機能)、USBコンセントの設置が可能であること

これらの条件を満たす外灯の有無について、今回資料を入手した(株)エール特許の他、関連主要企業(多数あるため数社)についてホームページより検索・調査してみました。

記載(確認)されていた内容を抜粋した結果は、以下の表の通りです。

照明としては、LED主流となっています。

電気の提供方法として、一般の配線を利用する外灯が多いようでしたが、最近は、小型の太陽光発電装置を設置した外灯が増えて来ていることが確認されました。災害時には、配線での供給が不可となる可能性もありますので、単独での供給システムが必要と考えます。なお、風力発電の併用は一社のみ確認されましたが、太陽光発電との併用はありませんでした。

点灯時間は、14時間とほとんど変わらず、調光なども同様の機能を有していました。無日照点灯日数は、4~5日間が多く、一社で7日間となっていました。蓄電池能力の違いと考えられますが、災害時には、長時間の使用が必要となりますので、さらなる能力の向上が求められます。今後は電気自動車の蓄電池の利用も必要となると考えられます。

また、災害時の冠水を考慮して、2m以上の高さとされており、ポールの素材もステンレスや鋼管をメッキしたものが採用されていました。

非常電源の接続も考えられおり、スマホやコンピュータなどの接続がコンセントあるいはUSBで可能となっています。

さらに、監視カメラの接続も可能とする製品もありました。防犯上も有用と考えます。

なお、WiFI装備の設置はありませんでした。

必要項目 パナソニック(株) 東芝ライテック(株) 岩崎電気(株) (株)エール特許
発電機能 太陽光
風力 ※1      
電気提供配線不要
日照時間対応・調光設備
バッテリー シール鉛電池 リチウムイオン電池 ※2 リン酸鉄リチウムイオン電池
LED
点灯時間(最大) 14時間 14時間 14時間 14時間
無日照点灯日数 5日間 4日間 5日間 7日間
外灯の素材 鋼管 鋼管 ステンレス ステンレス
外灯の高さ
(冠水対応/2m以上)
監視カメラ       ※4
非常電源
(AC100V)
コンセント  
USB      

※:空欄は未確認 ※1:別製品あり ※2:詳細不明 ※3:設置可能

今回は、条件(項目)を絞って調査した結果のため確認出来なかった企業や内容も多数ありましたが、災害時対応も含めて省エネ単独発電による稼働が可能な外灯の設置をご検討の方々の参考に少しでもなればと願っております。

なお、今後も省エネ対策を検討する中で、災害(防犯も含む)時に必要と考えられる設備・機器などについても調査・検討して行きます。

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